ネバーエンディング横須賀ストーリー

【ちょっと、長くなる話だけど、お手すきの際に読んで頂けたら幸いです】

思い出や、記憶って、男女差や個人差はあるけれど、時間がたつと心の中で結晶化(うろ覚えになり忘れてしまう)しちゃうんだ。

あれは、1995年の冬だったかな。

子供の頃に見た映画「ビルマの竪琴」に出てくる竪琴(サルンというシンプルな構造の弦楽器)の音色や演奏を聞いてみたかったのと、
観光ガイドブック「地球の歩き方」で見た世界三大仏教遺跡の一つ、ミャンマーのバガンへ行ってみたくなり、
都内、北品川にあるビルマ大使館(ミヤンマー連邦共和国駐日大使館)へ、観光ビザを申請しに行ったの。

大使館へ行った帰り、北品川の下町情緒漂う街を散策するようにマイペースに散歩感覚てJR品川駅まで歩いた。
この日は、たまたま体調が優れなかったのか歩きすぎて疲れてしまったのかはかわからないけど、横須賀線のホームに出てしまった。

本来は、品川駅で大宮行きの京浜東北線に乗る予定だったが、乗車ホームを間違えてしまい、
その時、体調や気分がよくなかったから駅のホームの椅子に座って、午後の紅茶レモンティーを自動販売機で買って、
飲みながら休んでいたら、「横須賀」行きの列車がホームに入ってきたの。

横須賀は、子供の頃、実業団のバレーボールの試合を観戦しに、スポーツ好きの父親に手を引かれ訪れたので、なつかしくもあったので横須賀線にのって横須賀に行ってみる事にした。
電車にゆられてしばらくすると終着駅「横須賀」に着いた。JR横須賀駅から徒歩で5分程歩くと、ジョッパーズプラザとダイエー(確か当時はダイエーだったような??現在はイオン)がドッキングした、
モール(複合型商業施設)が見えてくる、この横須賀港を望む地形にこれだけ規模の商業施設を作るのは、誘致や行政のレベルからきっと大変だったろうね。
店内に足を運ぶと、モール特有の回廊建築様式(自然と人がぐるぐる回るように作られている)のフロアは、人影はまばらだったと思うが、
筋肉、ムッキムキ、バッキバッキの腕にイカリのマークがある屈強な米国海兵隊員が、目が切れ長で、室町時代に生まれていたら美人の東洋系(今で言うアジアンビューティ)の女性を連れて歩いていた。
おそらく、その米兵は、将校ではない。将校は、外部の人間と気軽にモールを歩いたりなんかしないよ。この行動からも、米海軍での階級(一兵卒)がわかってきたので、
心の中で、何かやらかすんじゃないぞ!とちょっぴり思いました。自衛隊の学校の制服に身を包んだ生徒さんは、つかの間の余暇を仲間達と控えめに、穏やかに「和」を楽しんでいる様子だった。

モール内には、ファミレスチェーン店の「サイゼリア」がテナントとして出店しており、店内に入り、幸運にも港が見える窓際の席に着く事が出来た。
店員さんに、ティラミス、ソーダ水を注文して、時計の針が午後3時を突き刺した頃ソーダ水を窓際に傾けたら、ソーダ水の中を、巡視船?米軍の軍艦?が通り抜けた。日が翳り遠くて確認が難しいので、「オペラグラス」でも用意しておけば良かったかしらん、しかし、この光景は本当にキレイでしたね。

サイゼリヤで小腹を満たしたら、体調不良が嘘だったように元気が出てきて、そそくさと会計を済まして足早に「どぶ板通り」へ向かってみた。
初めて体験するどぶ板通りには、港町特有の湿り気を帯びた風が足元を吹き抜けて、その中に、ウイスキーやバーボンが染み付いたコルク栓を街に転がしたような匂いがした。
街の街頭には、お顔にアゲハ蝶が花に止まっているような女性がたっていたり、酒樽をテーブルがわりに使っちゃう外国人向けの酒場が多くて、ワイルドでアメリカンな雰囲気があった。
通りの中程に、スカジャン発祥の店があって、店内を物珍しさからなのかキョロキョロ見回していると、穏やかな、小柄な初老の男性店員さんが話かけてきて、
ファッションには、元から興味があったので、店員さんに「何か、オモシロくてユニークなスカジャンはありますか?」
と聞いたら、数あるスカジャンの中から、金糸の龍の刺繍が施してるスカジャンを選び出し見せてくれた。店主のおじちゃまの話だと、この龍の刺繍は、下り龍といって、
通常のスカジャンは、昇り龍のスカジャンだから、下り龍の刺繍は珍しい、うちの店でしか売ってない、とう話をクリスマスの微笑みを浮かべながら、ゆっくり話してくれた。
ヨーロッパのファンタジー小説に、オリーブの肌ととび色(茶色)の瞳持つ「アトレイユ」という名の、民衆に選ばれし勇敢な少年が、たった一人で人間のわるい事や、虚無感と戦い冒険をしていく話(※ミヒャルエンデ作:ネバーエンディングストーリー)がある、その小説の主人公の一人、アトレイユが、果てしない冒険をしていく最中に、いじめられて弱気になった者を沼の底に引きずり込む「悲しみの沼」があり、アトレイユは迂闊にも泥沼に足をとられて沈みかけるんだけど、その時に天から龍が降りてきて、アトレイユを間一髪のところで「悲しみの沼」から拾い救う話を思い出した。困っている弱者やマイノリティ(少数者)に向かって下っていく、これが本当の「強さ」であり下り龍の「存在」なのかもしれないと思った。

おっと、アメリカ~ン(アメリ缶)な話と欧州のファンタジーが融合、「がっちゃんこ」して交錯してしまいました。(^^;)

どぶ板通りのスカジャン店を「目の保養になりました、ありがとうございました」と言ってあとにし、視線を右にそらすと、懐かしい雰囲気がする下町の路地裏のような、横道が目に入ってきたので、
趣くがままに、その通りに入ってみると、むかしなつかしい「銭湯」があって銭湯の入り口の「のれん」を粋に勢いよくめくって出てくる昔堅気のジモティがいたり、
銭湯の前に、ビール瓶の空き箱をひっくり返した椅子の上に、体が熱くなる液体を口に含んで顔を真っ赤にしながら、口から白い煙を吹き出している、背伸びをしたい年頃の少年達が足を広げて座っていて、
どこ(日本全国)のガキも同じような事してんだな~と思うと、微笑ましくもあり、苦笑いにもなったりしたが、何故か、横須賀に親近感がわきました。

その路地裏の迷路を彷徨うように、行き当たりばったり進んでいると、行き止まりになってしまったので、
踵をかえして、来た道と間違っていないか心配になり振り返りながら歩いていると、「横須賀海軍カレー」の店があったので、
お店の白いドアを開けた瞬間、「いらっしゃいませ」と優しくて上品な女店主の声が耳に入ってきました。
女性店主は、ロイヤルハイネスな日本語と流暢な英語を話し別けていて、肌を太陽にかざすと透けるポーセリンのように白く髪の毛は亜麻色だった。
名前は、メリーさん?エミリーさん?だったけかな?スイマセン解りません(m_m)
彼女のつくる、よこすか海軍カレーは、ジャガイモを裏ごしして煮込むので、角がとれた柔らかい味がして、大変美味しゅうございました。
(地方で女性店主が一人で店を切り盛りしているところは優良店が多い)

その後、どぶ板通りにもどって、潮風にさからいながら港へ向い、
ヴェルニー公園を通ると、地元の少年3人組がさっそうとマウンテンバイクにまたがり、
釣りにきた。手軽いアプローチポイント決めて、手慣れた様子で器用に極彩色の疑似餌(ルアー)に糸を通し、
釣り竿を海に向け反動をつけて一斉に空気を裂き、弧を描くようにキャスティングすると、少年3人組の一人が、勢いあまって手を滑らせて、
釣り竿、スピニングリール共に、海にドボンと落としてしまった。
お父上にお願いしてようやく買ってもらった釣り用品らしく、
竿を海深くに落として沈めてしまった少年は、とてもしょげて落ち込んでいたが、
他二人の仲間が、「クヨクヨすんなよ」って声をかけて、肩を叩いて、
公園の植え込みに、3人で立ったままお小水をしていた。

そんな姿を、横目に海をみていたハンチング帽をかぶった白髪の老人男性が、
くわえタバコのまま静かに笑っていた。

漢は、つらいことがあっても、泣いたり、わめいたり言い訳が出来ない生き物だから、

らんぼうな言い方になるかもしれないが、男にとって、「立ちション」や「くわえタバコ」てぇのは「男の心の涙」なんだぁ。。

ケンカで「逃げ戦して」帰ってきても「知らん顔」を決め込むって訳で実にイージー(安易で短絡的)。

話が果てしなくなりそうなのでこの辺でおしまい。

マリッジ・バスケット

宇田川 智美

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%92%E3%83%A3%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%87